クラウドサービスの普及によって、膨大なデータ解析が容易に。データ解析市場は、今後急成長するとの予測をもとに、各社急ピッチで取組の強化を開始しています。ただし、この分野においてのプロフェッショナルな解析者、解析データから仮説を立てソリューションを提案できるコンサルタントが圧倒的に不足すると予測されています。


7兆円以上の経済効果が見込まれるビッグデータ

情報通信技術の進化により、さまざまな属性のデータを大量に蓄積できるようになっただけでなく、これらビッグデータをリアルタイムに解析できる範囲が広がったことから、ビジネスに活用する動きが加速しています。

総務省が発表した情報通信白書(平成25年版)によると、ビッグデータの活用による経済効果は国内だけで年間7兆7700億円に達するとの見込みになっており、各社ともこの分野におけるエンジニアの採用を強化しているのが現状です。

流通業におけるPOSデータの活用やECサイトにおける購買動向の分析・マーケティングだけでなく、製品の稼働状況を監視してアフターサポートに利用したり、道路交通情報を渋滞回避に用いるなど、多方面での幅広い利用が進んでいるのも特徴といえるでしょう。

ビッグデータの活用によって見込まれる経済効果
(総務省「情報通信白書」)

業界別にみると、製造業がもっとも高く約4兆7899億円、次いでインフラの約1兆4300億円、流通業1兆1529億円、農業3972億円となる。


ビッグデータ時代に求められるエンジニアとは

ではビッグデータに関連して、エンジニアにはどのような資質や技術が要求されているのでしょうか?

ビッグデータの利用にあたっては、生成されたデータを蓄積し、整形する(分析可能可)というプロセスを踏む必要がありますが、データの整形において不可欠といえる技術が、Googleにより開発された「Hadoop」です。JavaフレームワークであるHadoopでは膨大なデータを分散処理することが可能となっており、社内外のシステムに蓄積されたデータを収集し、構造化して抽出することができます。そのため、いま転職市場においてもっとも求められているのが、Hadoopによりデータを集計、解析し加工できる技術を持ったエンジニアなのです。

さらにHadoopのデータを用いてECサイトにおけるレコメンドエンジンなどを構築するには、「Mahout」などの機械学習ライブラリ(データの関連性を自動的に判断するライブラリ)の利用が一般的になっています。これらのツールに習熟していれば、大きな武器となることは間違いないでしょう。

ただし、企業側の需要と比較してHadoopの技術を持つエンジニア数が圧倒的に不足していることから、サーバやデータベースなどの基盤寄りの技術に強みを持つエンジニア、HadoopやMahoutのベースとなるJAVA言語の技術を持つエンジニアであればチャンスがあるといえます。


今後さらに需要が見込めるデータサイエンティスト

ビッグデータの活用にあたっては、機械学習などのツールを駆使してデータを解析し、さまざまな課題を探し出してサービスの品質向上に努める、アナリストとしての役割を兼ねたエンジニアが欠かせません。このような「エンジニア型のデータアナリスト」(データサイエンティスト)を目指す上では、それぞれの業界における詳細な業務知識の有無に加えて、統計解析のための専用プログラミング言語である「R言語」や、SPSSなど統計解析ソフトウェアの経験が評価のポイントとなるでしょう。

なお具体的な求人状況に関しては、このところやや落ち着きが見られるものの、年収400~800万円という比較的高水準で推移している傾向に変わりはありません。特に、データマイニングを通じて企業の課題を解決する「コンサル型のデータアナリスト」に関しては、年収1000万円超という待遇も珍しくありません。

今後は、ビッグデータを活用する企業が大手を含めますます増えてくることが予想され、上流工程へのキャリアパスも開けていることから、転職を検討する価値は十分にあるといえます。

データサイエンティストに求められる業務スキル