Spring Executive は世界トップレベルの組織がどのようにビジネスをリードし、そこに不可欠な優秀なタレントをいかに魅了し続けているのか、その本質についてお伝えしていきます。

今回は、日本マイクロソフトで人事本部採用グループのシニアマネージャーとしてご活躍されている阿部レナさんに、マイクロソフトがいかに、信頼性、柔軟性、多様性に基づき仕事環境を発展させ、「働きがいのある会社2014」で1位を獲得するに至ったか、その秘密について語っていただきました。


ずば抜けている、従業員の愛社精神と上司と部下の信頼性

日本マイクロソフトはGreat Place to Work Institute Japanによる「働きがいのある会社」ランキング2014年版で、1位に選ばれました。その際、最も評価されたポイントは、会社と従業員の信頼関係の強さでした。

「細かく管理しなくとも、従業員がきちんと仕事をすると信頼されている」という項目の数値が、どの企業よりも高かったのです。 実際、私はいくつかのIT企業で働いてきましたが、当社従業員の愛社精神や上司と部下との信頼性は、ずば抜けていると思います。それは、従業員のコミットメント意識もさることながら、当社が「従業員が会社を愛せる基盤を持っている」ことが大きな理由ではないでしょうか。 その基盤とは、男女関係なく取得できる育児休暇、短時間勤務制度など、ワークライフバランスを確立しやすい人事制度が整っていることがもちろんあります。

ただそれ以上に、変化の激しいIT業界において、大きな技術革新があったり、会社の規模が変わったりしても、当社のビジョンやコアバリューがぶれないところこそが、従業員の会社への信頼感につながっていると思います。従業員は、今後ビジネスがどのように変化しても、当社がその変化に対応するための環境を用意し、可能性を引き出してくれると信じているのです。

「柔軟な働き方」を推進。
週1ペースでの在宅勤務制度の利用者は100名以上

会社と従業員との信頼関係が確立しているからこそ、当社では「柔軟な働き方」を推進できています。その一つが、在宅勤務制度です。現在、週1回ペースで在宅勤務制度を利用している社員は100人以上います。これにより、従業員は出産、育児、介護など様々なライフイベントと両立しながら、自分らしく仕事を続けることができます。当社では、上司が海外にいるケースも多く、もはや“リモート・マネジメント”は日常的になっています。

どこにいても、同僚とビデオで話をしたり、グループディスカッションをできる設備を整えていることが、在宅勤務を推進できている理由の一つでもあります。 一方で、当社が個人主義的なスタンドプレーヤーの集まりかといえば、そんなことは全くありません。上司と部下は、定期的に一対一のミーティングを行い、仕事の進捗からキャリア形成に至るまで充分話し合う風土が形成されています。私自身も部下とは頻繁に「将来どうなりたいのか」を話し合い、それを実現するためには何が足りないかを詰め、課題や不足点を補う社内トレーニングを受けるよう打診することを欠かしません。モチベーションが高い従業員のためのメンター制度や幹部向けトレーニング キャリア意欲が高い従業員には、メンター制度を用意しています。キャリアのお手本にしたい先輩にメンターになってほしいと国を越えてエントリーすることもできますし、人事内のマッチメーカーに斡旋してもらうこともできます。

メンターは世界中の社員から。
国を超えた公募制度も高いモチベーションに

ちなみに、私は採用の責任者という、世界中の同じ職位の集まりでメンターを見つけました。そのメンターは、日本拠点の採用のみを担当している私と違い、複数の国の拠点の採用を担当しているために知見が広いのです。たとえば、幹部層へのプレゼンの前に資料を見てもらい、アドバイスをもらっています。国外にメンターがいれば、世界中の実例や先行データを手に入れやすいという利点もあります。 

また、国を越えた社内公募制度があることも魅力の一つだと思います。イントラネットには常時、世界中のどのポストが人を募集しているかの情報が公開されており、手を挙げることができます。さらに国内でも、ハイパフォーマー(高い業績を上げている人財)にはハイパフォーマー専用の研修機関があり、その要件を満たせば、早期に経営者教育を受けることができます。 当社には、このように柔軟な働き方や、モチベーションが高い従業員は常に上を目指せる環境、会社と従業員が成功を分かち合える文化があります。だからこそ、結果を出しやすく、自分の将来像を描きやすいのだと思います。

<プロフィール>
阿部レナさん
日本マイクロソフト株式会社人事本部採用グループ シニアマネージャー

ワシントン州立大学卒業後、マイクロソフト本社で5年間エンジニアとして働く。その後複数の外資系IT企業で、プロダクトマーケティングや技術営業を担当した後、13年7月より現職。主に、中途採用を担当。